オモ写を撮り始めて写真に拘りが出始めると、レタッチ(画像加工)にも興味が湧いてくると思います。
「もっとシャープな写真にしたい」とか、「白とびや黒つぶれをなくしたい」とか、「これとこれを合成したい」…と感じるシーンもあるはず。
今はLightroomやPhotoshop、ibis等のアプリを使ってスマホで簡単にレタッチできる時代なので誰でも簡単に経験することが出来ますよね。
でもあまり加工しすぎると画質が劣化するんじゃないかと心配な人も多いのではないでしょうか。
今回はそんなレタッチに興味がある方たち向けに「RAW(ロウ)で撮る意味」について書いていきます。
RAW(ロウ)ってなに?
なぜRAWで撮影するのかを説明する前に、そもそもRAWというのは何者なのかを説明しておきます。
画像ではなくデータの集合体
みなさんも馴染みがある「JPEG」というのはパソコン、スマホなどで表示することが可能な「画像ファイル」のことを指すのに対して、
RAWというのは「生の」「未加工の」という意味を持っており、画像ファイルではなく「データの集合体」のことを指します。
それぞれの違いはよく料理に例えられます。
カメラ内部の画像処理エンジンで良い具合に料理されたものをJPEG
撮ったそのままを記録しているデータの塊をRAWと覚えると良いかもしれません。
[aside type=”boader”]JPEG:「すでに調理済みの料理」
- すぐに食べることができる状態で、調味料を使うことで多少味付けの変更ができる。
- あまりやりすぎると味がおかしくなる。
[/aside]
[aside type=”boader”]RAW:「食材の状態」
- 食べるために自ら調理し、食べられる状態にする必要がある。
- そのため食材の使い方次第で料理に大きな変化を生み出せる。
- もちろんレシピ通りに作ればJPEGと同じ味にできる。
[/aside]
再現できる色数は26万倍
料理の例えだけでもRAWが如何に融通の聞く形式か伝わると思うのですが、数値にするとその差は更に明確になります。
JPEGで再現できる色の数は約1677万色(8bit)なのに対して、RAWで再現できる色の数は約4兆3980億色(14bit)で26万倍です。
ではここで写真を見比べてほしいのですが、
左がJPEGで撮影した所謂撮って出しの写真、右がRAWで撮影しカメラ内現像した写真です。
[colwrap class=”clm2″] [col2 class=”clm22″][/col2] [col2 class=”clm22″]
[/col2] [/colwrap]
RAWで撮影した写真を見て「4兆超える色情報の表現度半端ねぇー!」となるでしょうか?
残念ながら人間が識別できる色情報は1000万色程度といわれており、一般に普及しているデジタル機器で見れる画像も1677万色以下のものが殆どです。
つまりRAWで撮影したからと言って写真が綺麗に映るわけではなく、情報量が豊富なRAWで撮影することで後の現像作業に幅を持たせることができますよと言うことです。
これこそがRAWで撮影する1番の理由。
現像するとよく分かるRAWの威力
説明が長くなってしまいましたが、実際に現像してみるとRAWでの威力がよく分かります。
露光量を+2.0してみる
※真ん中のスライダーを動かすと違いを比較出来ます。
同じだけ露光量を上げているにもかかわらず、しっかり色が浮き上がってきているRAWに対して、JPEGは全体的に暗い印象のままです。
特にフィギュアの後ろの壁を見て頂けると分かりやすいと思いますが、RAWに現像の方は白が確認できるものの、JPEGの方は黒のままで特に四隅に関しては黒つぶれしています。
JPEGでは色の情報が少なく露光量を上げた時の再現性が低いですが、RAWではしっかりと色のデータが残っているので細部までしっかりと色を維持したまま明るさを調整してくれているのがよく分かります。
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最終的にこんな感じでInstagramへ投稿しました。
RAWデータで保存する方法は?
お手持ちのカメラのメニュー画面を開き、保存形式の選択項目を開くと「S M L」等のサイズ設定や「FINE、SUPERFINE」等の保存するJPEGサイズを選択する項目があると思います。
この項目の中にRAWというのがあればそちらを設定して頂ければRAWデータで写真を記録することが出来ます。
ない場合はお手数ですが、お手持ちのカメラの取扱説明書を御覧下さい。
スマホでもできるRAW撮影
実はLightroomアプリを使えばiPhoneでもRAW撮影をすることが出来ます。
アプリストアからLightroomをインストールしたら
[colwrap class=”clm2″] [col2 class=”clm22″][/col2] [col2 class=”clm22″]
[/col2] [/colwrap]
カメラマークをタップして、ファイル形式を「DNG」にするだけ。
これでスマホでもRAWデータで写真を記録することが出来ます。
このアプリを使えばマニュアル撮影も可能になるので大変便利ですね。
注意点|データ容量が大きい
RAWデータを取り扱う時の注意点としては、当たり前ですがデータ容量が大きいという点。
何でもかんでもRAWで撮っているとすぐに容量いっぱいになってシャッターチャンスを逃すということにもなりかねないので、その点は注意しましょう。
如何だったでしょうか。
ちょっと長ったらしくなりましたが、オモ写を撮影してレタッチもガンガン行うならRAW撮影にもチャレンジしてみると表現の幅が広がりますよ。
それでは!
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